10年近く前に勤めていた整形外科に、「逆に」という言葉が口癖の男子がいました。
でも話を聞いていると、内容が全然「逆」じゃないのです。
テーピングの治療効果について話をしていると、「テーピングって、逆に効果的なんですね!」と
目をキラキラさせて言ってはみたものの、
前後の会話からは「テーピングの治療効果は低い」という内容はいっさい発生しておらず、
みんな狐につままれたような空気が周辺に漂いました。
最近の若者も、この「逆に」をよく使っているような気がします。
聞くとはなしに聞いていると、昔の同僚のように全然逆じゃないことも多々あるようです。
日本語は正しく使っていきたいものですね。
ところで先日、仮病について数名のスタッフと話をしていました。
今のデジタル体温計では不可能なのですが、昔あった水銀体温計はけっこう不正が簡単で、
布でこすったり逆さにして振ったりすると、ぐんぐん(偽りの)体温が上昇したものです。
私はそのどちらも実行し、どちらも失敗した経験があります。
布でこすったときには力を入れすぎて体温計の先端が折れ、中の水銀が丸く固まって散らばり、正座で説教されました。
逆さにして振ったときには、水銀の容積が遠心力についてこれず、途中でプッツリと千切れてしまい、
あとは何をしてもその隙間がなくならず、これも説教。
そんな面白話をしようと、「逆さに振ったときも体温が上がったことになるんで」と切り出したとき、
G女史がおもむろに、「逆さって、そんなことできるんですか?」と、体温計を振るしぐさをしたのですが・・・。
G女史は、体温計を逆さにしたのではなく、体温計を振るしぐさを逆さにしたのです。
通常、体温計を振るときは肘を軸にして体温計の先端に遠心力が発生するようにするのは周知の通りですが、
G女史は体温計を軸にして、肘の先端に遠心力が加わるように動かして見せたのです。
志村けんさんの「アイーン」のかっこうで、脇の下をパフパフさせるように・・・。
この動きだと、かなり高速でパフパフさせないと体温計の尻には遠心力は生じません。
後藤さ・・・いやG女史もすぐにおかしなことに気がつき、その場にいたスタッフは爆笑に包まれました。
その後、水銀がちぎれてしまったエピソードなど一切面白さを感じさせないほど、G女史に持っていかれました。
口惜しいと思うよりも、G女史の天然系底力に感服してしまいました。
逆に。
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